++Sleep++

泣きながら僕から逃げて行ってしまった貴方。
そんなに僕が嫌だったの?

この手に掛けて終えば、貴方は僕のモノになるのでしょうか?


現実で離れ離れになってしまうくらいなら、夢の中だけでも一緒に居たいと願う事は、きっと許される事でしょう…。


外は雨が只管降り続けている。
窓に当たる雨が五月蝿い。


貴方は僕から離れたい。
だから泣きながら逃げている。



そんな現実は見たくない…。



僕は誰からも愛される事は無いのでしょうか?
“愛している”と言っていた、貴方まで僕から離れて行く。


そんな上辺だけの言葉は要らない。
真実のみ僕が受け止める唯一の事。


それさえも裏切られ、僕は涙を流している。
貴方を信じられなくなった僕は、何を信じて行けばいいのでしょう…。
何も信じれなくなるならば、いっそ永遠に眠り続ける事を選ぶでしょう…。


それ位は許される事でしょう?

同じ思い出を共有して、深い永遠の眠りに就く事が僕の唯一の望みです。


胸が痛い…。
ああ、そうか血って赤かったんだ…。


泣いているの?
ごめんね…。貴方を僕から解放してあげる。
好きな所に行って良いよ?
そんなに涙を流さないで…。
ほら、いつもの様に笑って…。

ごめんね、僕の血が貴方の綺麗な顔に着いちゃったね…。


そんな小さな手に、似合わないよ。
鈍色に光るモノを持っていたら、危ないよ…。


僕は、貴方をもう追い掛けないから…。

最期の言葉くらい信じてくれてもいいよね?


ほら、僕はもう動けないから…。
安心して…。

だから、最期に笑って。

その笑顔を瞼に焼き付けておくから。


ごめんね…。



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